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位相の定義

Introduction

今日から位相空間論について書いていきます。自分の復習のためですが、、、
位相空間は数学を学ぶ上でとても重要になってきます。
位相空間を定義する利点の一つは写像の連続性を位相を用いて定義できるからです。
今日は位相の定義について書いていきたいと思います。


概要

  •   距離空間
  • 位相の公理
  • 位相空間
  • 開集合


距離空間
初めに距離空間を定義します。
Xを集合,関数dを $d:X\times X ->\mathbb{R}$とします。この時、

(X,d)が距離空間である$\iff$

  • $\forall x,y \in X,~~~~~d(x,y) \geq 0$
  • $\forall x,y \in X,~~~~~x = y \implies d(x,y) = 0$
  • $\forall x,y \in X,~~~~~d(x,y) = d(y,x)$
  • $\forall x,y,z \in X, ~~~~d(x,y) + d(y,z) \geq d(x,z)$

この条件は距離の公理と呼ばれています。
dは距離関数と呼ばれています。

位相空間
(X,d)を距離空間とします。この時、
$\mathbb{O} \in 2^X$が(X,d)の位相$\iff$


  • $\phi,X \in \mathbb{O}$
  • $\forall O_1,O_2 \in \mathbb{O} \implies O_1 \cap O_2 \in \mathbb{O}$
  • $\forall \Lambda ,~~\forall \{O_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda} \in O \implies \bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathbb{O}$


ここで$2^X := \{A | A \subset X \}$です。

この条件は位相の公理と呼ばれています。

気を付けるべき点は $\Lambda$ は任意の添え字集合であることです。つまり、$\mathbb{N}$でなくても$\mathbb{R}$のような実数無限集合でもよいのです。


この時、$(X,d,\mathbb{O})$を位相空間と呼びます。
$(X,\mathbb{O})$と書くことが多いです。

開集合
$A \subset X$が開集合$\iff$

$$\forall x \in A,~~\exists \epsilon > 0, ~~s.t.~~ B(x,\epsilon) \subset A$$
ここで、$$B(x,\epsilon):= \{y\in A| d(x,y) < \epsilon\}$$とします。

この開集合の定義は位相の公理を満します。

X:集合, $d:X \times X -> \mathbb{R}$:距離関数とします。

$$\mathbb{O} := \{A \subset X|A :open set\}$$.
と定義するとき、 $\mathbb{O}$は位相の公理を満たす。


証明.


  • $\phi,X \in \mathbb{O}$


これは明らかです。なぜなら、$\phi$は要素を持っていないため、 $\phi$は開集合の定義を満たします。そして、$\forall x \in X, \exists \epsilon > 0 ~~s.t.~~ B(x,\epsilon) \subset X$.これはXが全体集合なので明らかに成り立ちます。


  • $\forall O_1,O_2 \in \mathbb{O} \implies O_1 \cap O_2 \in \mathbb{O}$


$\forall O_1,O_2 \in \mathbb{O}$について、$\forall x \in O_1 \cap O_2$を考えます。
$x \in O_1$and $x \in O_2$なので、 $\exists \epsilon_1 ~~s.t.~~ B(x,\epsilon_1) \in O_1$ and $\exists \epsilon_2 ~~s.t.~~ B(x,\epsilon_2) \in O_2$
よって$\epsilon := \min\{\epsilon_1,\epsilon_2\}$と定義すると、
$$B(x,\epsilon) \subset B(x,\epsilon_1)$$
$$B(x,\epsilon) \subset B(x,\epsilon_2)$$
が満たされます。
よって$$B(x,\epsilon) \subset O_1 \cap O_2$$


  • $\forall \Lambda ,~~\forall \{O_\lambda \}_{\lambda \in \Lambda} \in O \implies \bigcup_{\lambda \in \Lambda} O_\lambda \in \mathbb{O}$


$\forall \{O_\lambda\}_{\lambda \in \Lambda}$について、
$$\forall x \in \bigcup_{\lambda \in \Lambda} \{O_\lambda\}_{\lambda \in \Lambda},$$を考えます。
 $\forall x \in \{O_\lambda\}_{\lambda \in \Lambda},$について、
$$\exists \lambda_0 \in \Lambda ~~.st.~~ x \in O_{\lambda_0}$$
が成り立つので、
 $$\exists \epsilon ~~s.t.~~ B(x,\epsilon) \subset O_{\lambda_0}$$
従って、 $$B(x,\epsilon) \subset \{O_\lambda\}_{\lambda \in \Lambda}$$

Q.E.D

結論
位相にはほとんど開集合が使われます。
位相を用いた写像の定義はまた、別の機会に書こうと思います。

Reference
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E7%A9%BA%E9%96%93

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8D%E7%9B%B8%E7%A9%BA%E9%96%93

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